【徹底解説】日本サッカー協会技術委員長報道から見るフランスの児童ポルノ規制と法制度の厳しさ

2025年10月、TBS NEWS DIG公式X（旧Twitter）が報じたニュースによって、日本サッカー協会（JFA）の元U-20日本代表監督・影山雅永氏に関する海外報道が注目を集めました。

今回の記事では、その報道を踏まえて、フランスの児童ポルノ規制がなぜこれほど厳格なのかを、法制度・文化的背景・日本との違いの3軸で解説します。

フランス刑法第227-23条：児童ポルノの定義と処罰対象

フランスでは、刑法第227-23条によって児童ポルノの制作・保持・配布が厳しく禁止されています。ここで注目すべきは、対象が「実在の児童」に限られないことです。

フランス法の定義では、「児童に見える人物を性的に描写した表現」も処罰対象に含まれます。つまり、アニメや漫画・CGといった二次元作品であっても、児童を性的に表現すれば違法とされる可能性があります。

罰則は懲役5年・罰金7万5000ユーロ（約1200万円）。組織的行為の場合は懲役10年・罰金50万ユーロに引き上げられることもあります。

架空表現でも違法になるケース

• 15歳未満に見えるキャラクターの性的描写
• 学校制服・児童設定・未成年を暗示するセリフ
• 性的ポーズ・行為の描写を含む漫画・CG

実際、2010年代には日本製の「ロリ系アニメ画像」を所持していたフランス人男性が有罪となった判例もあります。

2024年施行「SREN法」と年齢確認義務

2024年に可決された「SREN法（Loi du 21 mai 2024）」では、ポルノサイトや成人向けサービス提供者に対し、厳格な年齢確認の導入が義務化されました。

従来の「私は18歳以上です」形式では不十分とされ、身分証明や公的IDによる確認が求められます。違反サイトは、監督機関ARCOMによって検索除外・アクセス遮断・罰金などの制裁対象になります。

日本との法制度・文化の違い

日本では、児童ポルノ禁止法が実在児童を対象としており、漫画やアニメのような二次元作品は刑法上の処罰対象外です。表現の自由の観点から、創作物の範囲が広く守られています。

一方フランスをはじめ欧州諸国では、「児童に見える性的描写」自体が社会的に受け入れられません。倫理的観点から児童を性的対象化する文化を根絶する姿勢が明確です。

比較表：日仏の法的アプローチ

欧州全体で進む「児童保護強化」の潮流

欧州連合（EU）は、児童性的搾取防止を最優先課題と位置付け、デジタル空間での未成年保護を法的に推進しています。SNS・動画配信・クラウド共有サービスに対しても、AI検知や通報義務の強化が求められています。

これにより、フランスのような「架空表現の制限」も、国際的な規範として広がりつつあります。

まとめ：表現の自由と児童保護のバランスをどう取るか

• フランス刑法227-23条は「児童に見える描写」も対象とする
• SREN法で未成年アクセス防止義務が強化
• 日本は創作表現の自由を重視するが、国際的には保護強化の流れ

今回のニュースをきっかけに、「児童保護」と「表現の自由」の両立がより深く問われています。
文化・法律の違いを理解し、国際的な基準に沿った創作・情報発信を意識することが重要です。

出典：TBS NEWS DIG公式X（2025年10月投稿）／Légifrance／Vie Publique／ARCOM公式資料／欧州委員会報告書