こんにちはミュッセです。
前回作成しました、世界の本屋のサバイバル術5選からそのうちの一つ、「店主の個性」を挙げさせていただきました。
前回の記事
本日はそんな世界で長く愛される、本屋の店主をまとめてみました。
本屋を開業したいけど、どんなお店にしたらいいかわからない…と悩んでいませんか?
実は世界で愛され続ける本屋は、特徴があります。それが店主の個性です。
なぜなら、今、本屋が苦境に立たされる原因は、オンラインや商業系書店と比べ蔵書数とスペースの制限と戦わなければいけません。
町の独立系本屋が生き残るためには、限られたスペースにどんな本を置くか。
そこには店長の個性を血液としてお店に流すことで、人間性を持ち、独自のポジショニングを確立できるからです。
ミュッセは近々駅から少しはなれた郊外で書店開業を検討してます。
本屋の開業は初めてですが、過去には飲食店や宿泊棟などの開業を経験し、現在も順調に経営をしております。
この記事では、著書「世界の夢の本屋さん」よりロンドンで長く愛される本屋さんの店長を紹介し、共通項もお届けしたいと思います。
それでは、ロンドンから3つの本屋をご紹介。
ドーント・ブックス・マリルボーン
面積=約400㎡ 蔵書数=約30,000冊
ドーント・ブックスはロンドンの中心部に位置し、1910年に書店として建てられた、エドワード町時代の建物。
店内は大英帝国の面影も感じられるような雰囲気に包まれており、「ロンドンで最も美しい本屋」に選ばれました。
店内の蔵書ラインナップの特徴として、旅行書が多いがその他の小説類も全て国別に分かれて陳列されていることが特徴。
こうした国別に並ぶ陳列法は、日本の陳列法でもみられないため、とても新鮮に映ります。
もう一つの特徴はスタッフを書店員として、キャリアを重視しています。
店長 ブレット・ウォルステンクロフト
1963年、イギリス南東部のサリー生まれ。大学の同級生である、ジェームズ・ドーントに誘われ、開店とともに店長となる。
ドーント・ブックス店長のポイント
- 学生時代、同級生の将来オーナーとなるジェームズと中東へ旅行へいくことを決め、大型書店に旅行書を探しに行く。
- 本好きがあだなし、現地を知るために小説や歴史、建築などあらゆる本を買い漁ったが、売り場が別だったため、クタクタに。
- こうした経験から、国別の陳列方法をコンセプトに。
- 現在の書店はアマゾンのショールームになることを危惧している。
- 大事な書店員の守備範囲外な書籍は扱わない=店の持ち味を強める
- 優れた書店は文化の源。それは優れた書店員による、思いもしなかった本との出会いを大事にしている。
マグマ
面積=約30㎡ 蔵書数=約1,000冊
マグマのコンセプトは「小規模で、確固としたディレクションによって人々にインスピレーションを与える」こと。
アート誌の編集長、マーク・ヴァッリとクリエイターのモンセ・オルトゥノが立ち上げた。
小さな店の4方に表紙を見せ、ビジュアル的に陳列する様子は正にギャラリー。
また分類分けをしない、カテゴリー表示を行わない陳列方法も、「区別に意味はない」というコンセプトに基づく。
その書籍のセレクトは、慎重に時間とエネルギーを注ぎ、その多くは他のお店やネットでは買えないものだそうです。
その一方で問い合わせがあった書籍は積極的に店頭に置くなど、顧客ファーストの目線も大事にしています。
店長 ジョン・ウィンクレイヴ
1963年ヨークシャー生まれ。2001年に創業者の二人に誘われ、店長に。読書が趣味。
マグマ店長のポイント
- 店員は1日静かに本を読んで座っているタイプには合わず、多岐に渡る仕事を楽しめないといけない。
- スタッフのほとんどは、アートスクールを出て、グラフィック関係の活動をしながら、週に数日働きに来ている
- 店長は社会人からずっと本屋に勤めている。フレンドリーなお店づくりを心がける。
- 本屋の生き残りの条件は、他のネットや書店にはない個性をもち、時代のニーズに合わせ積極的に変化し、買い物を楽しい体験に価値提供できること
- 優れた独立系本屋はアマゾンに対抗できる
ロンドン・レビュー・ブックショップ
面積=約600㎡ 蔵書数=約20,000冊
ヨーロッパ最大の文芸誌「ロンドン・レビュー・オブ・ブックス」が運営する書店。
読者はもちろんのこと、紙面に合ったラインナップで世界各国より研究者から一般客まで幅広い層が足を運びます。
この書店では1タイトルにつき一冊しか本を置かず、限られたスペースにできるだけ多数のラインナップを揃えます。
ロンドン・レビュー・ケーキショップを増設すると、客層は広がり、待ち合わせ客やミーティング利用など幅が広がりました。
店長 ジョン・クリーシー
1952年ケンブリッジ郊外生まれ。大型書店等書店員、店長を務め08年から店長。
ロンドン・レビュー・ブックショップ店長のポイント
- イギリスでは長い間、家族経営の書店しかなかった
- その後大手書店の台頭に伴い、どこも同じようなベストセラーを並べる本屋ばかりなり、中小の書店が姿を消す。
- 一般では入手困難な本を置く書店なら、潜在的な需要があると睨み、ニッチな品揃えがヒット
- 同じ本でもアマゾンではなく、この店で買うお客様に支えられている。
- セレクトは大手出版社からの売り込みに頼らず、あらゆる情報源から選書をしている。
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まとめ・感想
いかがでしたでしょうか。イギリスの独立系書店がいかにして、その限られたスペースに熱量を込めているか伺えます。
店長の個性=お店の魅力、共通項が見えてきました。
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皆、アマゾンにどう対抗できるか前向き
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店を表す独自の選書に対する熱量
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ルーツは店長とオーナーが源流
また、ロンドンは前回の記事でも述べた、本に出てきた料理が食べれるお店や、ゲイの専門店等、その中でも個性が際立つお店が多い印象を持ちました。
皆様の本屋開業に向けた、少しでもお力になれたら幸いです。
ミュッセも引き続き書店開業に向け、情報発信していきたいです。
次回はパリ編について、まとめてみたいと思います。
それでは、また。
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